歩く旅を通じて、地域の価値向上、経済的な継続、未来へ受け継ぐ道づくりに寄与する。
国立公園の自然の活用と保全の考え方
売りすぎない観光の実践
自然活用と保全を両立するための地域デザイン
歩く東北研究所の実践事例から考える
Volcano Trail・MCT・国際コミュニティ形成
About Aruku Tohoku
歩く旅が、東北の鍵となる。
ツアー造成だけでなく、プロモーション、体制整備、保全活動まで一貫してデザインする。
自然を使う人と守る人を分けず、地域全体で自然を支える仕組みへ転換する。
Seminar concept
商品造成で終わらせず、地域が疲弊しない観光へ。
国立公園における自然観光は、利用促進だけでなく、自然環境の保全や地域との共生を前提とした取り組みが求められています。
本セミナーでは、歩く東北研究所が令和6・7年度の国立公園事業等を通じて取り組んできた実践事例をもとに、自然活用と保全の両立、ガイドツアーとセルフガイドの活用、地域経済循環、海外との継続的な交流、世界基準を取り入れた受入体制づくりを紹介します。
Lecture program
前半講演:歩く東北研究所の実践から考える
最初の問いかけ
「ツアーを作って終わり」にしていませんか?
自然資源や地域の受け入れ体制には必ず「限界」があります。単なる集客や商品造成ではなく、コンテンツ造成の先にある受け入れ環境、地域住民との共生、そして地域が疲弊しない観光をどうデザインするかを考えます。
売りすぎない観光とは何か
「何を守り、誰に届けるか」。観光客数ではなく質と持続性を追い、踏み荒らし、ゴミ、野生動物への影響を抑え、生活の平穏を守りながら歓迎される観光を目指します。
地域内部の合意形成
合意形成には4〜5年かかることもあります。地域は理論よりも感情が先に動くため、行政、自然保護官、地域住民、一次事業者との関係構築と、保全にも関わるコミュニケーションコストを見落とさないことが重要です。
Volcano Trailの実践
火山、温泉、食文化、日本酒、暮らしをつなぐ「山旅」を通じて、ガイドが担う保全・教育・安全管理の役割を紹介し、国立公園全体を主語とした広域化へつなげます。
MCTセルフガイド
アドベンチャーツーリズムにおけるガイド不足を前提に、旅前相談、行程設計、宿泊・交通手配、オンライン有料サポートなど、ガイドの知恵をパッケージ化します。
インフラとコンソーシアム
荷物配送サービスなどの周遊インフラを整え、令和8年度は地域エージェント3社とトレイルクラブによる実証、窓口一元化に着手します。
国際コミュニティ形成
地域を売るのではなく、「歩く」「自然を楽しむ」という共通の価値観を持つ人々との継続的な関係づくり、コミュニティマーケティングへの転換を考えます。
Tourism stance
観光で最も大切なのは「スタンス」
売りすぎない観光とは何か
観光を考えるとき、多くの人は「何を作るか」「どう見せるか」から考え始めます。しかし、本当に最初に考えるべきなのは「何のために観光をするのか」というスタンスです。
売りすぎない観光とは、売らない観光ではありません。地域が疲弊せず、自然が傷つかず、地域の人からも歓迎され、旅行者にも深い満足を提供できる持続可能な観光です。
| スタイル(How) | スタンス(Why) |
|---|---|
| どう見せるか。デザイン、SNS、写真、演出、ガイド技術、高級感など、魅力を伝えるための表現。 | 何のために取り組むか。なぜ観光をするのか、誰に届けたいのか、地域をどう未来へ残したいのかという哲学。 |
| 磨くことも、真似することもできる。入口として人を惹きつける力は大きい一方で、表現だけが先行すると地域の負荷や受入側の疲弊が見えにくくなる。 | 地域の向き合い方そのものであり、簡単には真似できない。誰を迎え、何を守り、どこまで売るのかという判断基準になり、観光の持続性を支える。 |
スタイルは「見せ方」を整えます。スタンスは「選び方」を決めます。たとえば、人数を増やすのか、滞在の質を高めるのか。短期の売上を優先するのか、地域との関係を育てるのか。自然観光では、この選び方の積み重ねが、地域住民との信頼、自然への負荷、ガイドや事業者の持続性を左右します。
スタンスが決める判断基準
- 誰に来てもらうのか
- どこまで売るのか
- どんなガイドを育てるのか
- どんなストーリーを作るのか
- 保全をどう組み込むのか
良いスタンスを持つ観光
- 地域を消費せず、関係を育てる
- 人数だけを追わず、地域が疲弊しない
- 来訪者教育を行い、自然と文化へ敬意を持つ
- 地域・旅行者・自然の三者に価値を生む
ガイドにもスタンスがある
良いガイドは知識量だけでは決まりません。自分が主役にならず、相手をよく見て、地域と自然を尊重し、旅行者と地域をつなぐ。何を話すかよりも、どんな姿勢で案内するかに違いが出ます。
このスタンスを土台として、Volcano Trail、MCTセルフガイド、歩く台湾・歩く東北、世界基準のガイド育成を紹介します。これらは別々の取り組みではなく、「売りすぎない観光」というスタンスから生まれた実践です。
スタイルは人を惹きつけ、スタンスは人と地域の信頼を育てる。How to start
合意形成は大切。でも、最初から全員の理解を待ちすぎない。 理論を伝え、感情に寄り添い、実績で信頼を育てる。
地域の合意形成は大切です。ただ、そこだけに注力しすぎると、実践のスピードが鈍ることがあります。私の経験では、最初から全員に理解してもらうことを目指すよりも、まずは「自分たちは何をしたいのか」「なぜそれをやるのか」を地域や関係者にきちんと伝え、意思表示をしていくことが重要です。
マインドが合う数名で始める
まずは仮説に共感し、スタンスが近い数名とスモールスタートします。属人的でも構いません。小さくても形にし、数字を出し、手触りのある実績をつくります。
理解より先に、意味と意義を伝える
新しい取り組みは、最初から伝わるとは限りません。人はイメージできない情報にブレーキをかけることもあります。だからこそ、まずは地域に情報を出し、やりたいことの意味を丁寧に伝えます。
理論と感情の関係を理解する
地域観光では、「こうした方がよい」という理論に対して、受け手の感情が必ず生まれます。これまでを否定されたと感じる人もいます。理論だけでなく、感情の動きも見ながら進めます。
実績を積み、一緒にやるフェーズへ
小さな実績、参加者の反応、地域消費、関係者の声を積み上げ、それをまた地域に伝える。急がず、でも「この指とまれ」の発信は続ける。その先に、一緒にやるフェーズが生まれます。
Practice portfolio
紹介する実践プロジェクト
Story design
ツアーの核は、火山地形と山麓文化をつなぐこと。
ふくしま火山旅では、火山そのものを眺めるだけでなく、火山が生んだ地形、温泉、湧水、盆栽、日本酒、地域の暮らしを一つの物語として編集します。山頂を目指す登山から、断面をとらえ、地勢を愉しむ山旅へ。山麓文化を旅の中心に置くことで、自然活用と地域経済の接点を広げます。
さらに、「日本の国立公園・活火山・温泉」という共通テーマで、阿蘇くじゅう国立公園や熊本・阿蘇との連携にもチャレンジしています。磐梯朝日国立公園だけに閉じず、複数地域の事業者が火山を軸に学び合う広域プロジェクトへ発展させる構想です。
Conservation loop
活用:保全 = 50:50
売上の一部を環境保全費へ積み立て、登山道整備、携帯トイレブース運用、人材育成へ再投資します。
Global editing
世界へ届く山旅
ローカルな自然・文化・人の物語を、国際的な旅行者にも伝わる品質と文脈で編集します。
From concept to sales
理念だけで終わらせず、実際に販売される山旅へ。
ふくしま火山旅は、コンセプト造成や報告書で終わるのではなく、外部パートナーと地元双方の販売導線へ展開しています。地域の物語を磨き、価格をつけ、実際に選ばれる商品として届けるところまでを設計します。
Self-guided trail design
MCTセルフガイドと、東北の歩く旅ネットワーク
MCT Trail & Train
ガイドの「知恵」をパッケージ化
1000kmを超えるみちのく潮風トレイルでは、すべてのハイカーにガイドが同行することはできません。旅前相談、行程設計、宿泊・交通手配、オンライン有料サポートを組み合わせ、セルフガイドを支える受入体制を整えます。
三陸 Trail & Train
Coast to Coast
太平洋から日本海へ
松尾芭蕉の奥の細道としても知られる出羽信仰の巡礼路を、太平洋から日本海へ。地域の食、文化、人に触れる歩く旅として、JNTOのアドベンチャーツーリズムサイトでも紹介されています。
JNTO掲載ページMCTT構想
「インフラ」と「コンソーシアム」で支えるセルフガイド
荷物配送サービスなどの周遊インフラを整え、地域エージェント3社とトレイルクラブによるトラベルコンソーシアムの構築に着手。バラバラだった相談、手配、現地サポートの窓口を一元化し、持続可能な受入基盤へつなげます。
東北運輸局「令和8年度 みちのく潮風トレイル基盤整備実証事業」にて、実証チャレンジを進めます。
MCTT構想PDF
Self-guided is not a replacement
セルフガイドはガイドの代替ではない
ガイドの価値を、より多くの人へ届け、ガイド自身が稼ぎ続けるための仕組み。
- 現場で案内する
- 1日1組
- 時間を提供する仕事
- ガイドがいなければサービスが成立しない
ガイドの経験・知識をサービス化
レベル診断 / 行程設計 / 宿・交通調整 / 装備相談
オンラインサポート / 天候・ルート相談 / 緊急時対応
フィードバック / 次の旅の提案 / コミュニティ形成
ガイドの知識が「知財(IP)」となる。
時間を売るのではなく、経験・判断・ネットワークを価値として提供する。
知財をきちんとマネタイズすることは、ガイドが飯を食べていくための大切な選択肢です。自分が現場に出ている時間だけで収入をつくるのではなく、行程設計、相談、地域ネットワーク、判断力をサービス化することで、別の収益導線を持つことができます。
多くの地域でガイド育成は行われていますが、ガイド自身のブランディング、マーケティング、セールス力までは十分に扱われないことがあります。だからこそ、自分で売る力、稼ぐ力に向き合うためにも、ガイドの知財を活かす視点が重要です。
セルフガイドが成立するのは、優秀なガイドがいるからです。お客様はただ地図を渡されて歩いているわけではありません。「どの区間を歩くべきか」「雨ならどう変えるか」「荷物はどう送るか」。こうした問いに答えられるのは、現場を歩いてきたガイドの経験と判断です。
これからのローカルガイドには、「歩く人」だけでなく「旅をデザインする人」という役割が求められます。知識や経験をサービスとして提供することで、一人のガイドが複数のお客様を支え、地域の知的資産として次の旅行者へ受け継いでいくことができます。
MCT self-guided sales site
WEBも含めた受入環境整備が、販売を支える。
みちのく潮風トレイルでは、ツアー造成だけでなく、相談、情報整理、地域対応、荷物配送、コンセプト発信までを一体で整えることで、年々受入数の増加につなげています。
- 豊富なレベル、日数別のモデルコースを掲載
- 1時間1万円のオンラインコンサルを提供
- ベジタリアン対応表を活用した表示と地域対応の向上
- 荷物配送サービスを地域事業者と連携してスタート
- コンセプトブックを作成し、無料配布
May self-guided case
2週間、MCTを歩くこと自体が来日の目的になる。
5月のセルフガイド行程では、成田到着後に八戸へ入り、種差海岸、北山崎、田野畑、浄土ヶ浜、釜石、大船渡、陸前高田、気仙沼へと歩く約2週間の旅を設計。目的は他の観光地を巡ることではなく、みちのく潮風トレイルを歩くことそのものでした。
- 地域の人との触れ合い、漁業・食文化・震災伝承を旅程に組み込む
- 浄土ヶ浜でのSUP、宮古の寿司づくり、釜石のラグビー場見学と震災伝承を組み合わせる
- 地元住民による料理教室、漁船でのホタテ養殖見学など、一次事業者との接点をつくる
- ビジネスホテルよりも旅館や民宿など、日本らしい滞在体験を好む傾向
- 相談、手配、現地サポートを束ねることで、地方の自然観光に十分な可能性が見える
その可能性を持続的に地域へ還元するには、単なる説明ではなく心に響く伝え方としてのInterpretationと、地域ブランドを守り育てるIntellectual Propertyの両面からIP戦略を考える必要があります。
参加者の声
Thank you for all you did for us. It was everything we wanted and more. I hope to be back next year with my family, and maybe I can talk them into hiking some of the beautiful places we did.
本当にありがとうございました。期待していた以上の体験でした。来年は家族と戻ってきて、今回歩いた美しい場所を一緒に歩けたらと思っています。
Thank you very much from all of us. We appreciate your hospitality and all the people of Japan we met.
私たち全員から、心より感謝します。皆さんのおもてなし、そして旅の中で出会った日本の人々に感謝しています。
We are back in Canada and I would like to add my thanks to you all for organizing such a spectacular adventure!
カナダに戻りました。これほど素晴らしい冒険を企画してくださった皆さんに、改めて感謝を伝えたいです。
It was a lifetime event for myself that I’ll never forget, and lots of good stories will come from the trip. Already I have someone calling me wanting to go.
私にとって一生忘れられない出来事になりました。この旅から、たくさんの良い物語が生まれます。すでに「自分も行きたい」と連絡をくれた人もいます。
インタープリテーション
「価値」を伝え、「共感」を生み出す
インタープリテーションとは、単なる知識や情報を伝えることではありません。自然・文化・歴史・人々の暮らしにある「意味」や「価値」を伝え、訪れる人が自分ごととして理解し、心を動かされる体験へとつなげるコミュニケーションです。
訪問者の満足度を高めるだけでなく、地域の人自身が地域資源の魅力に気づき、誇りを育む「インナープロモーション」としても大きな役割を果たします。私たちは、「伝える」のではなく、「価値が伝わる」インタープリテーションを大切にしています。
知的財産(IP)
地域の価値を「資産」にする
地域の自然、文化、歴史、体験は、本来かけがえのない知的資産です。それらを名称やストーリー、ブランドとして整理し、守り、育て、発信することで、地域ならではの価値を持続可能なブランドへと育てていきます。
知的財産(IP)は、単なる商標やロゴではありません。「ここにしかない理由」を明確にし、地域の独自性を守りながら、ブランド価値を高め、商品・サービス・観光体験へと展開していくための基盤です。
Two roles of IP
価値を伝え、価値を育てる。
インタープリテーションと知的財産(IP)は、どちらも「価値」を扱いますが、その役割は異なります。インタープリテーションは価値を伝え、共感を生み出すこと。知的財産(IP)は、その価値をブランドとして守り、育て、未来へつないでいくことです。
この二つが組み合わさることで、地域は「伝わる地域」から「選ばれ続ける地域」へと進化していきます。
地域には、まだ言葉になっていない価値があります。
私たちは、その価値を「伝える力(Interpretation)」と、「育てる力(Intellectual Property)」の両面から支援し、地域と世界をつなぐブランドづくりを行っています。
IP(知的財産)
「来る理由をつくる」
安全管理 / お客様理解 / インタープリテーション
安全を守り、お客様を観察し、その人が知りたいことに合わせて地域の価値を伝える。
感動・共感・再訪
体験が心に残り、地域との関係が続いていく。
Toward the next stage
これからに向けて|世界を基準に、日本における「トレイルガイド」の共通基盤を考える
「歩く旅」が広がる一方で、共通の目標はまだ十分に整理されていない
近年、日本各地で「○○トレイル」と名付けられたロングトレイルや自然歩道が増えています。
みちのく潮風トレイルでも、国内だけでなく世界各地から歩きに来るハイカーが増え、単に山頂を目指す「登山」とは異なる、「地域を歩いて旅する」という文化が少しずつ広がっています。
それに伴い、各地域ではトレイルを案内するガイドの育成も始まっています。
しかし、その内容は地域や団体ごとに異なります。
自然解説を中心とする育成。
地域文化や歴史を中心とする育成。
インバウンド対応を中心とする育成。
接客やインタープリテーションを中心とする育成。
それぞれ大切な取り組みですが、
「トレイルを歩く人を安全に導くために、何を共通基盤とするのか」
という考え方は、まだ十分に整理されていません。
今、日本にロングトレイル文化が広がり始めたからこそ、世界のガイド制度や安全管理、野外教育、環境倫理の考え方も参照しながら、「トレイルガイドとは何か」を考える時期に来ているのではないでしょうか。
私たちが考えたいのは「新しい資格制度」ではない
ここで目指したいのは、新しい資格制度をつくることではありません。
また、既存の登山ガイド、自然ガイド、ジオガイド、観光ガイドなどの制度を否定したり、置き換えたりするものでもありません。
それぞれには、それぞれの専門性があります。
私たちが考えたいのは、
日本各地に増えている「○○トレイル」を案内する人たちが、世界の考え方も参照しながら、共通して目標とできる知識・技術・姿勢の目安
です。
資格ではなく、スタンダード。
合否ではなく、目標。
誰かを排除するための線引きではなく、
「安全で質の高い歩く旅を提供するために、私たちは何を身につけるべきか」
という共通言語をつくることです。
日本では「ガイド」という言葉が広すぎる
日本には、多様なガイドが存在します。
登山ガイド。
自然ガイド。
ジオガイド。
エコツアーガイド。
観光ガイド。
森林インストラクター。
地域独自のガイド。
それぞれに大切な役割があります。
例えば、自然ガイドは自然の魅力や生態系を伝える専門性を持っています。
ジオガイドは地形や地質、土地の成り立ちを伝える専門性を持っています。
観光ガイドは歴史や文化、地域の物語を伝える専門性を持っています。
しかし、
「自然や地域を伝えること」と「野外で人を安全に導くこと」は、重なる部分がありながらも、同じ専門性ではありません。
ここは、日本でガイドを考える上で非常に重要なポイントです。
もちろん、自然ガイドやジオガイドの中にも、高い安全管理能力を持つ方はたくさんいます。
問題は個人の能力ではありません。
それぞれの制度が、
- リスクアセスメント
- ナビゲーション
- 気象判断
- グループマネジメント
- 野外救急
- 緊急時対応
- 撤退判断
- 代替ルート判断
といった能力を、どこまで共通基盤として求めているかです。
「ガイド資格を持っている」
ことと、
「そのフィールドで人を安全に導ける」
ことは、必ずしも同じではありません。
だからこそ、トレイルを案内する人には、「伝える力」とは別に、「安全に導く力」を共通基盤として考える必要があります。
海外事例|スイスでは異なる専門職として考える
日本でトレイルガイドのあり方を考える上で、一つの参考になるのがスイスです。
スイスでは、高度な山岳技術を担う山岳ガイドと、ハイキングや歩行活動を案内する専門職が、異なる職域として整理されています。
代表的には、
Mountain Guide
山岳ガイド
と、
Wanderleiter / Hiking Leader
ハイキングや歩行活動を導く専門職
です。
Mountain Guide
山岳ガイドが担うのは、
- 岩場
- 雪氷環境
- 氷河
- アルパインルート
- ロープ技術を必要とする活動
- 高度な山岳判断を必要とする環境
などです。
求められるのは、
- ロープワーク
- クライミング技術
- 雪氷技術
- 雪崩判断
- 山岳レスキュー
- 高度なリスクマネジメント
といった専門性です。
Wanderleiter / Hiking Leader
一方で、歩く活動を導く専門職には、
- ルート計画
- ナビゲーション
- 気象判断
- 参加者管理
- グループマネジメント
- 緊急時対応
- 自然環境への理解
など、人を自然環境の中で安全に導くための専門性が求められます。
ここで重要なのは、
単純に「標高が高いか低いか」で分けているわけではない
ということです。
山か、平地か。
登山道か、自然歩道か。
標高1,000m以上か、以下か。
そうした単純な区分ではなく、
その活動に、どのようなリスクがあり、どのような技術的サポートが必要なのか
という視点で考えます。
例えば、
- ロープが必要か
- アイゼンなどの雪氷装備が必要か
- 技術的な登攀が必要か
- 滑落リスクの高い地形か
- 雪崩判断が必要か
- 専門的な確保技術が必要か
こうした要素が加われば、高度な山岳技術を持つ人材の領域になります。
この考え方は、日本にとっても大きな示唆があります。
Professional formation
歩くガイドを「職業人」として育てる視点
また注目したいのは、歩く活動を導く専門職の育成が、安全技術や自然知識だけで完結していないことです。
スイスのWanderleiter養成では、リーダーシップに加え、マーケティングや事業運営も学びの対象として位置づけられています。
これは、ガイドを単なる「案内する人」ではなく、
人を導くリーダーであり、自らの専門性を社会に届け、職業として持続させるプロフェッショナル
として捉える視点につながります。この考え方は、日本各地で進むガイド育成を考える上でも重要な示唆があります。
世界の考え方を参照し、日本における「トレイルガイド」を考える
もちろん、日本とスイスでは自然環境も、法制度も、ガイド文化も異なります。
そのため、スイスの制度をそのまま日本に導入する必要はありません。
また、「Wanderleiter」をそのまま「トレイルガイド」と翻訳するわけでもありません。
しかし、
「高度な山岳技術を担う専門職」と「歩く人を安全に導く専門職」を分けて考える
という発想は、日本でも参考になります。
日本では「Mountain Leader」や「Wanderleiter」という言葉は、一般にはあまり馴染みがありません。
一方で、日本各地には、
みちのく潮風トレイル。
信越トレイル。
熊野古道を含む長距離歩行ルート。
各地のロングトレイル。
など、「歩く旅」を目的とする道が広がっています。
そこで私たちは、
日本各地の「○○トレイル」と呼ばれるロングトレイルや自然歩道を案内する人を、「トレイルガイド」という概念で捉えてみてはどうか
と考えています。
これは、日本独自の閉じた制度をつくるということではありません。
世界で積み重ねられてきた、
- ガイドの安全管理
- リスクマネジメント
- 野外救急
- 野外教育
- 環境倫理
- インタープリテーション
の考え方を参照しながら、日本のトレイル環境において何が必要なのかを考える試みです。
トレイルガイドとは何か
私たちが考えるトレイルガイドは、
歩く人を安全に導き、自然を守り、地域と来訪者をつなぎ、歩く旅そのものをデザインする人
です。
単に道を知っている人ではありません。
単に自然に詳しい人でもありません。
単に歴史を説明できる人でもありません。
また、登山ガイドの簡易版でもありません。
歩く旅には、歩く旅ならではの専門性があります。
例えば、
- 数時間から数日にわたる行程管理
- 参加者の体力差の把握
- ペース配分
- 水分・食事・休憩管理
- 天候変化への対応
- 道迷い防止
- 公共交通との接続
- 宿泊施設との連携
- 荷物配送
- 地域住民との関係
- 文化的背景の理解
- 自然環境への配慮
- 代替ルートの判断
などです。
つまり、トレイルガイドは、
「道を案内する人」ではなく、「歩く旅全体を支える人」
なのです。
登山ガイドとトレイルガイドは上下関係ではない
トレイルガイドは、登山ガイドの下位資格ではありません。
また、登山ガイドより簡単な仕事という意味でもありません。
役割が違います。
登山ガイドは、高度な山岳技術が必要となる環境で、参加者を安全に導く専門性を持っています。
トレイルガイドは、ロングトレイルや自然歩道を中心に、歩く人を安全に導き、旅全体を成立させる専門性を持ちます。
もちろん、両者が重なる領域もあります。
ロングトレイルの中には、
- 岩場
- 雪渓
- 冬期環境
- 急峻な地形
- 高度なルートファインディング
- ロープや専門装備を用いたサポート
が必要となる区間もあります。
その場合は、既存の登山ガイド制度を持つ人材や、十分な山岳経験と技術を持つ人材との連携が重要になります。
ここでも大切なのは、
「資格があるか、ないか」
だけではありません。
そのフィールドにどのようなリスクがあり、何が起きた時に、どのような判断と技術が必要なのか。
それを理解し、自らの能力範囲を判断できることです。
資格は重要な目安の一つです。
しかし、安全を支えるのは、資格だけではなく、
経験、技術、判断力、継続的な学び
です。
世界と共通言語を持つために、まず安全管理とリーダーシップを土台にする
トレイルガイドの共通基盤を考える時、最初に置くべきものは安全管理だと考えています。
なぜなら、
インタープリテーションも、
自然解説も、
地域文化の紹介も、
ホスピタリティも、
すべては参加者が安全に行動できることの上に成り立つからです。
世界のアウトドアガイドや野外教育の分野では、
- リスクアセスメント
- ナビゲーション
- 気象判断
- グループマネジメント
- ファーストエイド
- 緊急時対応
- リーダーシップ
- 自らの能力範囲の理解
といった要素が重要な基盤として考えられています。
日本だけの独自基準をつくるのではなく、
世界で積み重ねられてきた考え方と共通言語を持つ。
その上で、日本の自然環境や災害リスク、地域文化、公共交通、宿泊、食などの特徴を理解する。
この順序が重要だと考えています。
安全の上に、トレイルガイドの専門性を積み重ねる
安全管理を土台として、その上に複数の専門性を積み重ねていく。
これが、私たちが考えるトレイルガイドの姿です。
1|安全管理とリーダーシップ
- リスクアセスメント
- ナビゲーション
- 気象判断
- 行程管理
- グループマネジメント
- 状況に応じた意思決定
- リーダーシップ
- チームビルディング
- 参加者とのコミュニケーション
- 野外救急
- 緊急時対応
- 撤退判断
- 自らの能力範囲の理解
安全管理とは、事故を防ぐための技術だけではありません。参加者の状態を読み、チーム全体を見ながら判断し、必要な時には予定を変更し、時には引き返す。その判断を参加者に伝え、納得を生み、グループを導く。安全管理を現場で実践するためには、リーダーシップが不可欠です。
2|インタープリテーション
- 自然
- 地形
- 歴史
- 文化
- 地域の暮らし
- 人と自然の関係
- 参加者の発見を促す対話
3|環境倫理
- Leave No Trace
- 自然保全
- 利用マナー
- 持続可能な自然利用
- オーバーユースへの理解
4|ホスピタリティと異文化理解
- コミュニケーション
- 異文化理解
- 参加者理解
- 多様な背景への配慮
5|地域との接続とチームづくり
- 宿泊
- 食
- 交通
- 地域事業者
- 地域住民
- 他のガイドとの連携
- 地域経済への貢献
- パートナーシップ形成
6|旅のデザイン
- 歩行距離
- 行程設計
- 公共交通との接続
- 宿泊との組み合わせ
- 代替ルート
- 天候対応
- 旅全体のストーリー設計
7|マーケティングと事業運営
- 自らの専門性の理解
- 顧客像の設定
- ターゲット市場の理解
- 商品造成
- 価格設定
- 販売チャネル
- 情報発信
- 旅行会社・DMOとの連携
- 収支管理
- 法的責任と事業リスク
- 年間を通じた仕事づくり
- 継続的な自己投資
プロとして活動するためには、「良いガイドであること」だけでは十分ではありません。誰に、どのような価値を提供するのか。その価値をどう商品にし、いくらで販売し、どこで顧客と出会い、仕事をどう継続するのか。マーケティングは単なる集客技術ではなく、自分の専門性と地域の価値を適切な市場へつなぎ、持続可能な仕事をつくるための能力です。
Professional guide
「稼げるガイド」を育てる前に、何を学ぶべきか
日本各地で「稼げるガイド」「プロガイドの育成」という言葉が聞かれるようになりました。しかし、英語が話せることや、地域資源を詳しく説明できることだけで、職業として持続するわけではありません。
世界を基準に考えるなら、必要なのは、
Safety|安全に導く力
Leadership|人とチームを導く力
Interpretation|価値を伝え、つなぐ力
Marketing & Business|仕事として成立させる力
です。人を導けるか。チームをつくれるか。自分と地域の価値を市場へ届けられるか。仕事を継続できるか。そこまで含めて、プロとしてのトレイルガイドの共通基盤を考える必要があります。
東北での実践から、世界とつながる共通基盤を考える
東北には、みちのく潮風トレイルがあります。
海岸。
漁村。
里山。
震災の記憶。
自然災害。
地域の暮らし。
鉄道。
ローカル交通。
宿。
食。
人。
それらを一本の道がつないでいます。
さらに東北各地では、火山、温泉、山岳、森林、里山を生かした新しいトレイルも生まれ始めています。
だからこそ東北は、
単なる「登山」でも、
単なる「自然観察」でも、
単なる「観光案内」でもない、
「歩く旅を支える専門職」
について考えることができる地域だと思います。
私たちが目指したいのは、「日本独自のトレイルガイド」をつくることではありません。
世界で積み重ねられてきた知識、技術、倫理と共通言語を持ちながら、日本の自然と地域の中で実践することです。
資格をつくる前に、まず「目指す姿」を共有する
私たちが今考えたいのは、新しい資格制度ではありません。
誰かを認定することでもありません。
既存のガイド制度を否定することでもありません。
まず必要なのは、
「トレイルガイドとは、何を大切にする人なのか」
を共有することです。
日本にロングトレイル文化が広がり始めた今、
全国でそれぞれにガイド育成を進めるだけではなく、
世界の基準や考え方も参照しながら、
安全で質の高い歩く旅を支えるための共通基盤を考える時期に来ています。
安全とリーダーシップを土台に。
自然を理解し。
環境を守り。
地域と人をつなぎ。
歩く旅をデザインする。
世界と共通言語を持ちながら、日本のフィールドで実践する。
それが、これから私たちが考えていきたい「トレイルガイド」の姿です。
Community marketing
地域を売るより、共通の価値観を持つ仲間を育てる。
台湾訪問では、中華山岳協会との友好連携協定を締結し、日本側16名、台湾側35名の計51名が参加。交流は一過性のPRではなく、磐梯朝日国立公園を主語とした広域的な山岳交流・保全協働の基盤づくりへと進んでいます。
「来てください」と発信するだけでなく、まず自分たちも相手の地域へ行き、歩き、学び、関係をつくる。相互の行き来を重ねる中で、観光客ではなく山友としてのコミュニティが育ち、台湾から東北へ、東北から台湾へという交流が生まれ始めています。
Taiwan mountain journey case
台湾から来てくれた山友ツアーが示した、滞在型山旅の可能性。
5月の台湾向け福島火山旅では、仙台入りから一切経山、五色沼レイクサイドトレイル、二本松酒蔵見学、安達太良山、地域関係者との交流までを5日間で構成。登頂だけではなく、温泉、食、日本酒、地域の人との触れ合いを重ねる「山旅」として好意的に受け止められました。
同じ宿を拠点に山・温泉・食・酒蔵・地域交流を組み合わせることで、滞在時間の延長と地域消費の拡大につなげます。
- 総合満足度は14名中12名が5/5、2名が4/5
- 台湾市場でのポテンシャルは14名中13名が5/5、1名が4/5
- 評価された点は、質の高いガイド、豊かな自然、食住の良さ、地元の人の温かさ
- 同じ地域に泊まり、山・温泉・食・交流を重ねる滞在型山旅への反応が強い
October product launch
10月には、祭りと紅葉を組み合わせた滞在型山旅の販売へ。
アドベンチャートラベルでは欧米豪が主なターゲットになりやすい一方、ローカルな山旅では台湾も大きな市場です。台湾は日本では十分知られていませんが、3,000m級の山々を持つ山岳国家であり、ピークハント中心の登頂文化から、地域に滞在して自然・食・祭りを楽しむ山旅へ提案を広げる余地があります。
台湾向け販売ページAsia Volcano Trail vision
台湾・日本のボルケーノトレイル連携から、アジア・ボルケーノトレイルへ。
将来的には、台湾・陽明山と日本・磐梯朝日をはじめ、双方の火山、温泉、国立公園を共通テーマにしたボルケーノトレイル連携を進めます。相互に歩き合い、共通する価値観を育て、国を越えて火山と温泉の道をつなぐ「アジア・ボルケーノトレイル」を目指すビジョンです。
August international forum
8月、台湾の低炭素・持続可能なハイキング国際交流プログラムへ。
8月には、台湾で開催される「低炭素・持続可能なハイキング国際交流プログラム」へ正式に招待されています。台湾との関係は、単発の誘客ではなく、自然利用、低炭素な移動、保全、地域交流を学び合う継続的な国際コミュニティへ進んでいます。
私自身、台湾へ何度も通う中で、自然の活用と保全を両立する意識や、歩く文化を社会に根づかせる取り組みは、日本より進んでいる部分が多いと感じています。だからこそ、台湾は「売る市場」ではなく、共に学び合う大切な仲間だと捉えています。
Community sales
コミュニティを育て、受入基盤へつなげる。
Stay tour
トップクラスの宿との連携
Day tourからStay tourへ。連泊型プランを前提に、文化体験・高付加価値宿・地域体験を組み合わせます。
Concierge network
トップコンシェルジュとのネットワーク強化
富裕層と地域をつなぐ接点として、宿泊施設、コンシェルジュ、DMCが連携する導線をつくります。
Guide network
東北ガイドネットワーク
ガイド、DMC/エージェント、高付加価値宿が三位一体となり、地域全体として富裕層を受け入れる基盤を構築します。
Talk session
世界基準で考える自然活用と保全の両立
世界から呼ぼうとするならば、まずは世界を自分が知ろう。世界各地へ歩く旅を自らも実践し、そこで得た知見を地域に、ツアーに活かしています。
台湾・スイス・アメリカ・ロッキー・ニュージーランド・カミーノの国名をクリックすると、参考写真を見ることができます。
台湾
登山タクシーや国際ハイキングカーニバルなど、歩く文化を支える受入体制とコミュニティ形成を紹介します。
スイス
車両規制や公共交通を組み合わせ、観光層も本格的な登山者も快適に自然へアクセスできる設計を考えます。
アメリカ・ロッキー
Timed Entryなど、混雑や自然破壊が起こる前に車両や人数を管理する利用設計を取り上げます。
ニュージーランド
トレイルバス、山小屋、外国人価格など、観光収益を保全財源と地域の維持管理へ戻す仕組みを共有します。
カミーノ
巡礼路として何百年も続く道が地域の誇りであり、ハイカーフレンドリーを生み出すとともに、地域観光経済の循環ももたらします。
経済と保全の循環
世界の事例を「海外の凄い話」で終わらせず、自分の地域のインとアウト、住民負荷、保全財源へ置き換えて考えます。
Global standards
ローカルコンテンツ × 世界基準
Common foundation
世界で活躍するアドベンチャーツーリズムガイドに求められる共通基盤
世界には地域ごとに様々な資格制度があります。しかし、多くの優れたガイドに共通しているのは、自然への配慮、安全管理、教育・体験設計という3つの能力です。資格を取ることが目的ではなく、世界で培われてきた考え方を知り、自分たちのツアーを世界視点で見直すことが重要です。
地域の魅力はローカルでいい。
しかし、安全・倫理・教育は世界と共通言語を持つ。
Leave No Trace
自然への配慮と持続可能な利用。自然を守るためだけではなく、訪問者・地域・自然が共存できる利用方法を考える倫理観です。
公式サイトWilderness First Aid
安全管理と野外救急。経験や勘だけではなく、リスクを予測し、安全に判断・対応するための共通言語です。
公式サイトWilderness Education Association
教育・体験設計・ファシリテーション。知識を説明するのではなく、参加者自身が気づき、学び、感動する体験を設計する考え方です。
公式サイト私自身が感じたこと
私自身、LNTやWFAも大きな学びでしたが、特にWEAを学んだことで、ガイドの役割に対する考え方が大きく変わりました。「何を説明するか」ではなく、「どうすれば参加者自身が気づき、学び、感じられるか」を考えるようになったからです。
ガイドは知識を披露する人ではなく、体験をデザインするファシリテーター。世界視点で見ることで、自然への配慮、リスク管理、お客様が主体的に体験できる設計を見直すことができます。
自然観光の本質は、観光客数を増やすことではなく、自然を愛する仲間とのつながりを育てること。
Speaker profile
後藤 光正
Destination Development Producer(DDP)
東北を拠点に、地域の魅力を見つけ、育て、旅にし、未来につなぐDestination Development Producer(DDP)として活動している。地域資源の発掘、コンセプト設計、地域との関係づくり、受入体制整備、人材育成、旅行商品化、販売、プロモーション、自然や文化の保全までを横断し、地域と市場、観光と暮らし、活用と保全をつなぎながら「旅が生まれ続ける環境」を育てることを仕事としている。
大学卒業後、旅行会社で国内外の旅行企画・営業を経験。その後、広告企画会社で地域プロモーション、商品開発、住民参加型の地域ブランディングに携わり、旅行の「つくる・届ける視点」と、広告の「価値を見つけ、編集し、伝える視点」を培ってきた。現在は、食、まち、歩く旅、自然・保全の4領域を軸に、観光を単なる商品造成ではなく、地域の未来づくりとして実践している。
黒石フード・ミュージアム、仙台バーホッピング、復興庁「食べる東北」、Trail & Train、みちのく潮風トレイル、国立公園・温泉地での自然活用と保全など、地域資源をコンセプト化し、受入体制を整え、旅として市場へ届ける取り組みを展開。観光客を増やすことだけを目的とせず、地域の価値が育ち、地域の人に仕事と誇りが生まれ、自然や文化が次世代へ引き継がれる観光を目指している。
DDPとは
地域の魅力を見つけ、育て、旅にし、未来につなぐ人
DDPとは、旅行商品をつくり販売するだけでなく、地域資源の発掘、価値の編集、コンセプト設計、地域との関係構築、受入体制整備、人材育成、商品化、販売、プロモーション、自然や文化の保全までを横断し、地域と市場をつなぎながら「旅が生まれ続ける環境」を育てる実践者です。重視するのは、「何を売るか」というスタイルだけではなく、「なぜ観光を行うのか」「誰のための観光なのか」「何を未来に残すのか」というスタンスです。
大切にしている考え方
スタイルとは、どう見せるか、何を提供するか。スタンスとは、何のために、どう向き合うか。スタイルは市場や時代に合わせて変わり、真似することもできます。しかし、スタンスは日々の判断と行動の積み重ねであり、簡単には真似できません。
主な実践領域
- 食:地域の食文化を、世界とつながる旅にする
- まち:地域の日常や暮らしを、旅の体験にする
- 歩く:道を、地域と出会う旅の仕組みにする
- 自然・保全:自然を活かしながら、未来へ残す
合同会社歩く東北研究所 代表社員 / アトラク東北株式会社 代表取締役 / 株式会社インアウトバウンド東北 取締役
主な資格・実績:みちのく潮風トレイル約1,000km踏破、日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージI・自然ガイドステージI、WEA Certified Outdoor Leader、Leave No Trace レベル2インストラクター、Wilderness First Responder(WFR)、第二種運転免許、温泉ソムリエ、国際利酒師。
講演・相談・連携のお問い合わせは、迷惑メール対策のためメールアドレスを直接掲載せず、歩く東北研究所公式サイト経由で受け付けています。
歩く東北研究所 公式サイトRelated links